この世はすべて、陰陽バランスでできている。
陰だけではなく、陽もあること。
陰の中にも陽があり、陽の中にも陰がある。
人の心、社会で起きる出来事、芸術にも当てはまる概念だ。
私は、数年前から「なげいれ花」という生け花を、横川志歩先生に習っている。
使用する花器(かき)は現代作家のものから骨董の土器まで幅広く、生ける花も西洋花や温室育ちの草花ではなく、厳しい野山に咲く自然の姿の草花達。
ある意味、マニアック(*^^*)な生け花。
昨日は稽古日で、持参した「弥生土器」に、家の周りで採取してきた草花を入れた。
今から数千年前に作られた「陰」である土器に、今を咲く花「陽」をいれると、バランスがつくられ、そこに世界が表れる。
そうして生けられた花を見て、人は心が動き感動する。
まだまだ、このバランスを完璧に1人ではできないのだが、始めた数年前からは少しは進歩したと自負している。
人の心も同じことがいえる。
何か行動するときに、「陰」の不安ばかりでは前に進まず、「陽」の安心や意欲だけでは危険すぎる。陰陽のバランスが保てているからこそ、ある程度自分の身を守りつつ、進みたい方向へ向かっていけるのだ。
この陰陽バランスの匙加減をとるのが非常に難しい。なぜなら、そのバランスのとり方は思考や条件だけではなくて、自分の身体感覚も使いながらとっていくものだから。
それゆえ、個人差もある。
頭も体も、自分の中に起きている変化に気づけないとできない。
自分の陰陽バランスはどうなっているか、という視点を持ちながら生きていると、そこに自分の世界が表れてくるはず。