乳がん闘病記29

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右乳房全摘手術を終え、無事にドレーンも抜き、あとは退院を待つばかり。

手術を体験して感じたことは、「乳房摘出手術をした側の腕がまったく上がらない」ということ。

事前に、術後は腕が上がりにくくなるため、術後に行うリハビリ体操を説明されていて

看護学校でも乳がんリハビリテーションの知識はあったが、ここまで腕が上がらないとは、、、

肘から上の腕を上げることができないので、ずっと右腕を体について過ごした。

病室の壁に目盛りがあって、壁づたえに手を少しずつ上にあげていくリハビリ体操をしていた。

同病室の人同士で、どこまで腕が上げるか比べたが、皆ヒーヒー言いながら体操していた。

何事も体験してみないと、痛みとその程度はわからないものだ。

手術後1年間ほど、私は痛い傷口に刺激が起きないように、右腕を脇にぴったりつけた状態で長い間過ごしていた。

右肩も内側に傾き、姿勢を曲げながら半年間ほど歩いていた。

特に困ったのは、髪の毛を洗ったり、ドライヤーで乾かすなど、どうしても腕を上げなければいけない作業。

左手を使うことはできたけれど、髪の毛をゴムで後ろで結べない ので、左の耳上で結んだり。

洗濯物をピンチで挟む作業も辛かった。

入院時に指導された、リハビリ体操を続け、術後どのくらいの期間だったか覚えていないが、1年もたたないうちに気がついたら以前のように腕が上がるようになっていた。

今でも、一日重い荷物を持って外出すると、右乳房の手術痕に痛みを感じる。

この痛みは、私が一生お付き合いする友のような存在。

次回へつづく、、、