人も草花も、生きとし生けるもののが「真実の姿」として存在するとき、何かを動かし、心を震わせるパワーを持つ。
私は長年、型がある日本古来の生け花から、西洋のフラワーアレンジメント、なげいれ花とジャンルは違えど、様々な「花を活ける」ことを学んできた。
先日、なげいれ花の発表会で、自分の作品を出展した。
花水木の照葉を間引く(間引く→枝の動きを見せるために不必要な葉を落とすこと)作業をしていて、これはカウンセリングやセラピーで行うことと同じだと気づいた。
周りに多くのものを見につけ、自らを守るのは人も植物も同じ
植物は多くの葉をつけることによって、自らを守り、太陽光を浴びて光合成を行い、栄養を蓄える。
人も同じで、社会の中で生きていくために、服を着て、知識や教養、資格、役職、役割を身に纏う。
そして、人の場合はそこに「人から嫌われないように、省かれないように」本心を隠して抑えて生きるため、ますます「本当のその人の真の姿」が隠されてしまう。
花を活けるとき、枝の動きを見せるために視点の邪魔をする葉を間引いていく。
そうすると、葉で覆われた時は見えなかった、その枝の本当の動き、姿が見えてくる。
カウンセリングやセラピーは、その人の真の姿を見出していくプロセス
本当はどう生きたいのか。
何をして、何をしたくないのか。
人生に何を望み、必要としているのか。
それを探求し発見していくプロセスこそがカウンセリングやセラピー。
花を活けていて、その枝の本当の姿が見えた時と同じように、
私はカウンセラーとして、クライアントの「真の姿」が見えてきたときに最も心が震える。