私は長年、花を活けるお稽古事を続けているくらい花が大好きだ。
ただ、その中でも好みではない花がある。
それは「カーネーション」
とくに赤いカーネーションを見ると、胸が詰まるような不快感が起きてくる。
ずっと、その意味がわからずにいたが、先日やっと気づくことができた。
それは「母の日に送る花」という意味がカーネーションに付けられているからだ。
母の日は、母に感謝しなければいけないと、そんなふうに押しつけられ強要されることに抵抗感がある。
母に感謝する気持ちはもちろんある。
ただ、私にとって母は嫌いでもあり好きでもあって、手放しに受け入れることができない複雑な存在だ。
離れて暮らしていて、気にはなるが決して近くには居たくない。
適度な距離を保ち続けたい。
それゆえに、カーネーションは好きではないし、自ら選んで買うことはない。
私の中では「母=カーネーション」。
ただの一つの花の種類であるのに、人はそこに様々な思いや気持ちを映し出している。
花から見えてくる自分の気持ちは、意外にも自分でも気づかない何かを表現しているかもしれない。