どうしてもやめられないのは、必要だからやっている

仕事で健康相談やカウンセリングをしていて、よく聞く言葉。

いけないとは思うけど、やめられないのです。

頭で理屈や理由は理解しているけど、行動には移せない。多くの人に似たような経験があるはず。

大抵、その話に出てくるのは、お酒やタバコ、過食嘔吐など、依存性のあるもの。

そして、いけないことをしている罪悪感も一緒に感じていることが多い。

そんな時、私はその人にやめた方がいい理由を説明して説得するより、こんな質問をする。

「あなたにとって、やめられない〇〇は、あなたに何をもたらしてくれる存在でしょうか?」

本当にその人が求めていることに焦点を当ててみる。

タバコやお酒で得られるものは何か。

例えば、気分転換、自分への癒し、コミュニケーション、気持ちが楽になる、などなど。

タバコやお酒などをとりすぎると自分の健康を損なうリスクを冒してまで、得たいものは何なのか。

そうすると、他の方法で同じようなことが得られるものはないか、探すことができる。

行動変容は簡単にはいかないけれど、視点を行動そのものではなくて、その先に移動すると少し可能性が広まってくる。

ゆえに、なかなかやめられないと言う人に対して、「それが〇〇さんを支えてきたもの。せめて罪悪感を感じながらではなくて、楽しんで味わってみるのもいいですね」と話す。

人は少なからず何かに依存しているし、決して悪ばかりではない。

やめられないのは、その人にとって生きていくのに必要だからなんです。