私はこれまで、医療職をしてきた。
歯科衛生士、看護師、保健師、公認心理師。
いずれも国家資格。
すべての国家資格には、法律というものがあって、どういった役割があるかなど明記されている。
良い意味で、ある程度の枠が決められていて、この職業はこういったことをする仕事ぐらいなもの。
今までは、こうした枠にはまることが好きだった。
その仕事役割を果たしている自分に価値、アイデンティティを見出していた。
だけど、自己探求をすすめるにつれ、枠にとらわれた職業が少し窮屈になってきた。
保健師とはこうあるべき、こうするべき、みたいなもの。
人は、それぞれ信念やその人らしさで仕事している。本当は、これといった模範は存在していない。
だけど、私は周囲の同じ保健師、とくに保健師の上司をみて「こうあるべきなのか」
と思い込んでいた。
はじめて仕事をするときは、指導者に習ってマネをするところからはじまる。
それは、とても自然なこと。だが、自身が成長するにつれ「私はこう思う」「こうやりたい」といった
自分のやり方が出てくる。
それにも関わらず「上司のようにできない自分はダメだ」と私は思い込んでいた。
だから、仕事がつらく感じてきたのだ。
では、これからどうするか。
その答えは「私としての仕事をしていくこと」
かおりという人が、保健師業務をしたら、どうクライアントの話を聴き、指導や助言をするのか。
それを自分を信頼して、育んで成長させていくこと。
こう思えたら、急に肩のチカラが抜けて、少し楽になってきた。
どんな資格の仕事をしていても、所詮「私は私」
完全な見本は存在しない。
肩のチカラを抜いて、私の仕事をしていく。