7年ぶりにウィッグを外して出掛けた日

7年ぶりにウィッグをしないで街中を歩くのは、本当に心許なかった。

はじめて、ウィッグを被って外出した時より、かなりの違和感。

7年前の乳がん手術後の抗がん剤治療で、全部の髪の毛が抜けて、当時はフルウィッグ。冬は寒くて、夏は暑かった。

治療後は髪の毛が再び生えてきたけど、とても細くて薄い髪の毛。しかも、頭頂部が一番薄い状態。なので、部分ウィッグも欠かせない生活をずーっと今まで送ってきた。

女性にとって、髪の毛はとても重要。

髪型は気に入っていたけれど、ズレたら嫌だなとか、風に吹かれるのも気になる。痒くてもかけないのもあって、外出時は自然な私ではいられなかった。

ウィッグを外した、ありのままの姿に、私の女性性がズタズタに傷ついていた。

最近、ようやく7年かけて、なんとか全体に髪の毛が増えてきた。

すると、地毛のままで身軽に外出したい自分に気づいた。

自己探求をしていくと、自分の中のわずかな声も聞き逃すことができなくなる。

外してみたいけれど、今度はウィッグを外す怖さが出現。

人にどう思われるかより、自分の自己イメージから外れた自分を外出時に見たくないし、見せたくない。

外したいと外したくない。

この葛藤は、マゾ的な私の恰好なワークの主訴となり(本当に心の学びをしていてよかった!)顔見知りの人達が見守るなか、ももちゃんのワークを受けるきっかけにもなった。

ウィッグを外して、人に会うのも少しずつ挑戦していった。

まずは、一番身近な仕事仲間とオンラインミーティングで会う時、おそるおそる、どうかなこの髪型?と感想を聞いてみる。

こんな時は、信頼できる人から挑戦してみるのがポイント。

大抵、ダイジョブだよ~っと言ってくれる優しい人を選ぶのがコツ。

むしろ、こうした時に何か辛辣なコメントを返してくる人の近くにはいないほうがいいかもしれない。

そして段階を踏んで、家の周りの近所の買い物へ行ってみる。

慣れてきたら、少し離れた人が多い駅周辺。その次は電車に乗ってさらに人が多い都内まで外出。

こうして段階を踏んだ結果、満更でもないことを実感。

昨日は、着物姿とベリーショートの髪型が意外にもよくマッチしていた。

その、着物のベリーショート姿の写真をSNSで公開したら、仲間がとてもいいよってコメントを沢山くれた。

自分の挑戦を応援してもらって、本当に救われた。

外すか、外さないか、どっちかにしなきゃいけないわけでもなく、よく考えたら、ウィッグをつけたバージョンと、ベリーショートの2パターンあってもいいのかなとか思えてきた。

洋服を着替えるように、髪型も着替えてみる感覚。

あとは、髪の毛をグレートーンの柔らかい色に染めちゃうとか?

そのほうが薄い毛が目立たないかな?などなど、妄想と可能性がふくらむ。

ようやくここまできた私を、盛大に祝福してあげたい気分だ。