やりたいことの見つけ方

よくカウンセリングや相談業務で聴く言葉のひとつが、

「やりたいこととか、興味、趣味が何かわかりません」という言葉。

私達は、家庭や社会のなかで、役割を果たすことに日々自らを埋没していて、本当の気持ちを押し込めて

生きていることが多いからだろう。

特に、人生の午後といわれる40代の人は「自分が何が好きなのか、よくわかりません」という人が多い。

人生も後半に入り、定年後はどう過ごすか考える年代でもある。

じつは、やりたいことがわからないのではなくて、思い出せていないとか、気づいていないだけなのだ。

幼い子ども達を見ているとわかる。

何も言われなくても、何かを探索していたり、遊んでいたりして目を輝かせている。

「自分が何が好きなのか、わかりません」と言っていた人達にも、目を輝かせていた子ども時代が誰でもあったはず。

なので、私は上記の話を聴いたとき、「思い出せる範囲で、子どもの頃に何を夢中でしていたか、好きだったか思い出してください」と伝えている。

絵本を読むこと?絵を描くこと?昆虫採集?おままごと?野球?

思い出せなかったら、子ども時代に流行していた歌、音楽、そして昔の写真、子ども時代をすごした場所に戻ってみるのもいい。

そうすると何かが浮かんでくるはず。

思い出したことを、もう一度体験してみるのもいい。絵をかいてみたり、お花を摘んでみたり、よく見ていたアニメ・

漫画を読んだり。

自分が心惹かれるもの、気づけなかった何かをみつけることができるかもしれない。

ちなみに私は、小さい頃の思い出のひとつは、家の近くにある空き地で一人、地面を眺めていたこと。

子どもの頃は、身体が小さいから、大人の今よりも地面が近い。地面を歩く、蟻などの虫たち、草、小さな花、そこに広がる世界を眺めて観察しているのが好きだった。世界を観察すること。これが私がやりたいこと。

世界を観察するというのは、今のカウンセリングの仕事にも通じている。

その人の内的世界を観ること。

それが私のやりたいことのひとつなのだ。

まあ、こういったふうに、もしやりたいことがわからない、という人がいたら、自分の子ども時代を振り返ってみることをお勧めする。