人間はどこまでも不完全

私は自殺予防対策のカウセリングの仕事をしている。

全国から、日々「死にたい」と訴える人達の話しを傾聴している。

最初は何故死にたいと訴えるに至ったか、私は理解が出来なかった。

他にも方法はあるし、そこまでしなくても、、。

と思いながら傾聴していた。

何回かカウセリングをしていくうちに、ある日ある人な話しを聴きながら気がついた。

「自分にたくさんのダメ出しをして、否定しながら頑張ってきたが、完全で完璧になれないから死にたくなるんだ」謎が解けた気がした。

もちろん個人差はあるけれど、希死念慮がある多くの人達の心の底には、強い自己否定がある。

不完全な自分を責めているのだ。

私も長年やってきたこと。なぜか完璧や完全を求め、そうでない自分を責めてきた。

人は神様ではないので、不完全な存在。

にも関わらず、多くの人たちが不完全な部分を指摘され傷つき、2度と傷つかないようにするため完全を求めて頑張り続ける。

その頑張りはある程度は効果はあるだろうけど、所詮人がやること長続きはしない。

この不完全を自分が受け入れられるかどうか。

未完な自分を受けいれ楽しめるか。

言葉で言うのは簡単だけど、ここに至るまでには自分の見なかったことにしていた傷に何度も向き合うことだろう。

それでも私は未完があるからこそ、味わえることを味わい尽くして生きていきたい。怖いけど。