不安、心配、気分が不安定になる人達というのは、圧倒的に「自分の気持ちをそのまま受け止めてもらう体験」が不足している。
私達は、成長の過程で周りの人達に「○○はしてはいけない、これはだめ」など禁止事項や訂正されてきた人達がほとんどだからだ。
カウンセリングで話しても何の問題解決にならないという意見がある。
それも最もなことで、問題解決の方法論というのは実は巷に溢れていて、それに従えばいいだけでもある。
それなのになかなか行動に移せないのは根底に「自分の気持ちが信じられない、決められない」という自分への不信や不安があるからなのだ。
自身への不信や不安が大きすぎると、たった一歩でさえも前に歩むことも難しくなり、それがさらに状況を悪化させる。
この自分への不信や不安は、自分の気持ちを言うと周りの人から「それは○○でしょ、ダメだよ、こうしたら」と否定や非難をされる過程で出来上がる。
もちろん、社会で生きていく以上してはいけないこともあるしダメなこともあるだろう。
なのに、言うや否やすぐに「禁止」「非難」されたらどうだろう。
自分の本当の気持ちはどんどん奥へ追いやられ、終いに聞こえなくなり、生きづらくなってくる。
じゃあ、自分への信頼や不安を安心に変容させていくためには何が必要かというと「気持ちを受け止めてもらえる体験」を地道に積み重ねていくこと。
この気持ちを受けとめてもらえる体験のひとつにカウンセリングがある。
クライアントの気持ちをジャッジすることなく、そのまま聞いて、「ああ、そうだったんだ」とただただ受け止めて聴く。
簡単に言うとカウンセラーはこれをしているだけ。
すると、不思議なことに受け止めてもらえたと感じると人はわずかでも安心できて、ほっと力が抜けるのだ。
人に話して気が楽になったと言う人は多く、それは自分への信頼や安心を感じている証。
この気持ちを受け止めてもらえた効用というのは、シンプルだけどとても大きいものなのだ。