もし、病気や失業などで、自分1人のチカラでは生きていくのが困難になったとき。
帰る場所があるかどうか。
その場所にいけば、とりあえずの寝床があり、食料がもらえて、復帰するまで居させてもらえる。
多くの人にとって、帰る場所というのは家族がいる場所だろう。
こうした場所があって、帰ることができる人達は、その後の経過もよく復帰も比較的しやすい。
だが、世の中には、あらゆる事情で帰る場所がない人達がいる。
厳密に言えば、帰る場所があるけれど、帰れない事情があったりする。
両親との関係が悪い、帰ると余計に自分の体調が悪化する可能性があるなど。
または、帰ると迷惑をかけ心配をかけると過剰に思い込んで帰ることを拒む時もある。
なので、こうした人達のための居場所を提供する団体がいくつかある。
どこにも頼れる人がいないと思っても、助けを求めれば、じつは、必ずどこかに居場所や支援を受けられるところがある。
我が身を振り返ると、私が危機的状況になった時には実家という帰る場所があった。
実家でしばらく英気を養って、また社会復帰することができた。
家族は私に急かすようなことを言わず、ただ見守ってくれた。
それは本当に有難かった。
ホットラインの仕事をしていると、帰る場所があり、そして安心して帰ることができるかどうかが一つのポイントとなる。
帰る場所がないという人の相談を受けるたび、私は、誰かが安心できる帰る場所、居場所になることができるかなと思う今日この頃。