うつ病や適応障害など、メンタルヘルス不調で休職していた人が復職するとき、不安があるのは当然のことです。 「不安がまったくない状態でないと復職できない」のは間違いです。
ある一定期間、休んでいたのなら復職する際に不安があるのは当たり前のこと。
むしろ、「まったく不安はありません!」という方のほうが、正直なところ産業保健師の私が不安になります(-_-😉
復職するとき不安があるからいいこともある
数か月休職した場合など、まったく不安がない状態で復職する人を、10年以上産業保健師として働く人の休職・復職支援をしてきた私は見たことがありません。
そのくらい、皆さん不安を感じています。
以前と同じように仕事ができるか、職場が受け入れてくれるか、休まないで出社できるか、などなど沢山の心配事を話されることがほとんどです。
ですが、それは「復職するときは、少し慎重にやっていこうね」というほどの、ちょっとした注意信号として不安が機能しているだけなんです。
いきなり、復職後に全速力で働き始めてしまったらどうでしょうか。
想像するだけでも息切れしてしまいそうですよね。
会社側も、いきなり全速力の労力を求めてはいないことがほとんどです。
リハビリ出勤といって、まずは短時間勤務からはじめて、徐々にフルタイムへと移行していく配慮をする会社がほとんどです。
「焦っては危ないよ」と不安がサインを送っているのです。
そもそも不安とは
不安とは、これから起きるかもしれないと、まだ見ぬ先のことを案じること。
不安を感じていると、たしかに心身がしんどくなります。
じつは、不安には「自分の身を守る役割」があります。
ネガティブだとか厄介者扱いされがちな不安ですが、じつは必要な存在です。
新しいこと、経験したことがないことに歩み出すためには、多少の不安があることで自分を守ることができます。
「不安を消さなければ!不安があってはまだ復職できない!」と思い込む必要はありません。
不安もあってこそ、復職ができる
復職する場合は、生活リズムが整っていて、もう一度仕事をしてみたいという本人の意欲が出てきている状態です。
そこに不安もあるのはいけない!なんて思わなくていいのです。
多少の不安があってこそ、復職は上手くいきます。
これから復職する人は「ぼちぼちスタート」を心掛けて不安を上手く使ってみてくださいね。