メンタル疾患で休職期間にすること

休職中に必要なことは、当たり前のことですが「休むこと」です。

仕事をしなくてもいいという、猶予時間になります

じつは、意外と休むのが難しいと感じる人が多いです。

なぜなら、ずっと働いて何かをしていることが習慣になっていると、時間ができた途端に何をしたらいいかわからなくなってしまうのです。

休むことは怠けている、仕事をしていない自分はダメなんだ。

そんな思いになる人もいると思います。

休職期間は長い職業人生のなかで、貴重な期間でもある

一般的な会社に勤めている人をイメージしてください。

学校を卒業して、就職し定年を迎えるまで何十年も働きますよね。

休職は長い職業人生の「夏休み」のようなものと捉えることもできます

この期間、ゆっくりと心身の休養をして、これまでの生き方の見直しをすることで、その後の人生が変化していきます。

まずは心身の療養をして生活リズムを整えていくことから始める

食事、睡眠など生活習慣を整えることから始めます。

早寝早起きするということではなくて、ただひたすら寝ることが必要なときもあります。

調子が戻ってきたところで、生活リズム(朝起きる、朝食、昼食を食べるなど)を整えていきます。

生活リズムが整ってきたら、軽くウォーキングなどの運動や読書・調べものといった少し集中力を使うことをしていきます。

不安がありつつも仕事がしたいな~と、気力が沸いてきた頃に主治医とも相談して復職という流れになります。

体力と集中力がついてきたら、休職に至った経緯の振り返りをして復職準備に備えます。

休職期間にリワークやカウンセリングを受けるとさらにいい

休職期間は、心身の療養が第一ですが、次に休職に至った経緯の振り返りができるかどうかが、その後の回復や順調な復職に影響してきます。

生活リズムが整い、体力がついてきたあたりから、主治医の許可があればリワークに通うことができます。

リワークでは、生活リズムの整え方、運動、コミュニケーションなどについてグループワークで学ぶことができるのでお勧めです。

もしくは、主治医に相談しカウンセラーを紹介してもらい、カウンセリングを受けて振り返りをする方法もあります。

復職面談で産業保健師の私が必ず確認していること

生活リズムが整っているか、仕事がしたいという意欲があるか、主治医からの復職可能の診断書が出ているかという確認は必須ですが、復職後に、もう一度同じような体調不良や休職前と同じ出来事があったら、どう対処するかを確認しています

復職後に、休職前に起こった出来事や状況が2度と起こらない保証ができないのが現実だからです。

もちろん、職場として再発を防止するための配慮をしてくれるかもしれませんが、人の異動もあるでしょうし状況の変化はつきものです。

そんな時に、自分を守るために適切な人(主治医、上長、産業保健職、担当者)に相談する、受診するといった対処行動がイメージできるかはとても大切なことです。

休職期間は休むということをする時で、人生の見直し期間

社会で働く人達は常に何かをすることを求められていますが、何もしない、休むということはどんなことかを学ぶ期間でもあります。

そして、メンタル疾患になったということは悪いこと、弱いことではなくて、これまでの人生の見直し時期がきているサインでもあります。

振り返りをせず復職したら、また同じ状態になる確率が高くなることは容易に想像できると思います。

ですから、人生からの猶予期間として、この休職期間を利用してください

この休職経験が、その後の人生をより豊かに深くする可能性も秘めているのです。