心の病気を疑うとき

心の病気を疑うときは、まず自身の身体の状態、基本的な生活状況を見直してみよう。

日々の心理カウンセリング業務では、心に関すること、主に日々のストレスや悩みについて聞くことが多いし、相談に来られる方達もそれを話す場だと認識している。

ただ、、健全な身体に健全な心が宿るというくらいなので、まずは身体の状態をチェックするのが実は最も大切なことなのだ。

この点を見逃してしまうと、うつ病だと思っていたが本当は違う疾患だったということもあるので注意が必要。

心の不調を訴える人の生活状況を聞くと、眠れない、食事もとっていない、生活リズムが崩れている、極端なダイエットをしている、休みをとっていない、適度な運動もしていない、治療が必要な内科外科的な治療を放置している、などなど、、これでは、健全で前向きな気持ち、思考も思い浮かぶわけがないのだ。

現代人は、なんでも心、やる気とか根性とかの問題として捉えがちだが、寝不足で疲れもとれていないのに、考えや気持ちが前向きになれないのは当然のことだし無理もないことなのだ。

身体を、あまりにも軽んじすぎている。

悩みで眠れないという人もいるだろうが、その悩みを消そうとするまえに、できる範囲で睡眠状況を改善する試みをしてみるのが先決。

心は捉えどころがないものだが、身体はもっと実感を伴っている存在。

食事を摂ったり、お風呂に入ったり、散歩したり、、心とか思考の癖をどうにか変えることより、生活行動や受診して治療するなどは、やりやすく、わかりやすいものでもある。

鬱っぽいから、心の病気かと疑う前に、食事、睡眠、生活リズムがどうなっているか、健康診断で指摘されている項目がないか、治療が必要な疾患を放置していないか、見直してみることからはじめよう。