先に型をつくり、あとから心を入れる

今年から、子ども茶道教室の先生をすることになりました。

10年間、学んできた茶道。

お世話になってきた茶道師匠が築き上げてきた茶道教室なのですが、師匠が遠方に引っ越すことになり私が先生を引き継ぐことになりました。

偶然にも、自宅から近い寄贈された日本邸宅の茶室での教室。

環境も抜群によくて、子ども達も熱心に通う稽古場。

茶道の世界では10年学んでいても、まだまだヒヨッコで何も語れない立場ではあるのですが、こうしたお役目が回ってきた以上、どうにかするしかない(-_-😉

緊張とワクワクが同居しています。

講師を務めるにあたり、改めて、基本の所作を見直しています。

茶道の映画で大好きなのは、樹木希林さんの「日日是好日

この映画で、希林さんが演じているのは茶道教授。

右も左もわからない、ぎこちない動きをする初心者に対して、教授がかける有名なセリフがあります。

「茶道は先に型をつくって、あとから心を入れるのよ」

たしかに、茶道の所作は頭で考えると「なんで?」と意味不明なものが多い。

私が理解している所作の意味は、その昔、茶道を大成した千利休が、無駄のない美しい所作として考案しているもので、一挙手一投足に意味があります。

ですが、その意味は「やってみないとわからない」ようにできていて、とにかく型を体になじませるのが先。

とりあえず「こういうものだ」とやってみる。

どんどんやっていると、そのうち体が勝手に動き出すときがきます。

勝手に体が動き出すと、次に「もっと丁寧にやってみよう」とか「道具を大切にしよう」「美味しく飲んでもらいたい」といった心のエネルギーが所作に入り込みます。

ここまでくると、最初はわからなかった所作の意味合いを自分なりに理解できるようになります。

これは茶道に限らず、何かの仕事や物事を学ぶときも同じ。

まずはやってみて、自分の心身に型をつくっておいて、あとからそこに自分らしさの心の注ぎ込む。

型に心のエネルギーが注ぎこまれでできたものこそ、その人らしさ。

私も茶道の先生として、誕生したばかりなので、まずは師匠の指導の在り方の型を身に付けつつ、そこに私らしさのエネルギーを注いでいきたい。