対人援助職に大切な心がけ、それは「猫のような在り方」のこと。
ただ、ひたすら猫のように、静かに相手の近くにいてあげること。
心身が傷ついて、ナーバスになっている人は、ときに優しい言葉であっても、過剰に傷つくことがある。
それは、私自身が乳がんになってわかったこと。
猫と暮らしてわかったこと
私が乳がんになり、自宅療養を送るタイミングだった。
外来で抗がん剤治療を受けながらの療養生活の相棒として我が家に迎え入れた。
名前は魚の「鰤(ぶり)」
副作用や不安が強く、家に引きこもっていた私に寄り添ってくれた鰤。
一緒に布団に入って、よくお昼寝をしていた。
ただ一緒にいてくれるだけで、言葉も話さず生き物の温もりを感じながら、一緒に呼吸している時間に心が慰められた。
たくさんの人からのメッセージや支えも有り難かったけれど、ナーバスになっていた当時は、人が話す言葉にも敏感になっていて、過剰に傷つく時もあった。
それゆえ、物言わぬ鰤の存在が私の1番の支えだった。
ただ近くにいるだけで、安らぎをくれる存在。
私は対人援助の仕事をしているが、人を援助、支援するうえで1番大切なことを鰤から教わった。
それは、いつも私自身であって、一緒にいるだけで安らげる在り方でいること。
これが何より、援助を求めている人を癒すベースになる。
今年で7歳になる鰤。
これからも長生きして、ずっと私の傍らで生きていて欲しい。