裸で生まれてくる赤ちゃん。
何も持たずに身体ひとつで生まれてくるのは、世界を信頼しているから。
周りに養育し保護してくれる人がいることが大前提、全信頼している。
言葉は持っていないけれど、不快だったら泣き叫ぶ、快だったらニコニコしているだけで生きていく術は充分持ち合わせている。
そして、死ぬ時は何も持てずにあの世に還る。
死ぬ時だって、あの世への全信頼があるから持たなくてすむ。
人は喪失感に苦しみ悲しむけれど、もともと持っていないし、本当に大切なものを誰かが奪うことはできない。
肉体を持って生きるこの世は、何かを獲得したり喪失する一連のプロセスの中で心身が感じることを体験し、魂を鍛えるための遊びの場にすぎない。
こう思うと、ちょっと肩のチカラが緩む気がするのは私だけだろうか。