生まれた時に両親、家族からつけられた名。
一説によると、どんな名になるか決めて生まれてきているとかいないとか。
私は正直、「かおり」と言う名前、最近まで好きではなかった。
かおりって呼ばれるのは、家族からだけで、友人達には旧姓の苗字を略したあだ名で呼ばれていた。
私の世代だと、女の子の名前には子がつくことが多くて、子がついている名前が羨ましかった。
そして、時が経ち、、、
人生折り返しの齢になってから始めた心の学び。
その学びの仲間達は、お互いを名で呼び合うことが多い。
何度も「かおりちゃん」とか「かおちゃん」と呼ばれる。最初は慣れず、気恥ずかしかったが、不思議なもので、どんどん慣れてくる。
しかも、「香織って、香りを織り込む。かおりちゃんのエッセンスを織り込んでいくイメージよ」とあるセラピストからフィードバックされ、その表現の美しさに我ながら感動することもあった。
極めつけが、今年6月に行った高野山リトリート。
空海が作ったと言われる曼荼羅を立体的に表現した場「根本大塔」にて。
この世のすべての源である大日如来を慰める役割を持つ菩薩さまの中に
「金剛香菩薩」という名の菩薩さまがいたのだ。
根本大塔を訪れたのは2回目だったが、最初に訪れた7年前はその存在に気がつかなかった。
一緒に参加していた人からも「かおりちゃんだね」と言われて、ますます嬉しくなり。
金剛香菩薩は名のごとく、香で大日如来を慰めることがお役め。
かおりで人を癒す。
私を使って人を癒す。
かおりという名をつけてもらった有り難さや意味が胸に迫ってきた。
何十年もかかってようやく、私自身を好きになれた瞬間だった。
自分の名が好きになった私は、先日スーパーである食品をみつけて思わず購入。
かおりは「かおり」を食べて、ますます自分が好きになる。