今から約7年前、私は抗がん剤治療を受けていた。
4週間おきに、病院で抗がん剤を点滴してながらの自宅療養を半年間続けた。
がんは、2人に1人がなる可能性がある病気。
様々な治療法が確立されていて、以前よりは治癒する病気かもしれない。
だが、がん告知を受けた人は、少なからず、自分の「死」というものを意識する。
今まで遠くにあって意識することも無かった「死」
これが目の前に突きつけられる。
死を意識すると生も鮮やかになる。
自宅療養していた時、毎朝ベランダから見える太陽の光の強さを感じた。
今日も目が覚めて、生きていて良かった。
そう思えた。
夜になって寝る。今日も無事終わった、眠りに落ちる暗闇を見る。
太陽の光と暗闇。
毎日、新しい私が生まれ、夜に死ぬ。
その繰り返しだ、そう感じた。
だから、毎日が私の誕生日。
昨日までの体験を経て、今を生きている私。