カウンセラーの仕事の醍醐味は、嘆きの感情を共有し温かさを感じるところにある。
大抵、カウンセリングの場で語られることは悩みや嘆きと言った負の要素、ネガティブな内容がほとんどだ。
人には話せない、重い荷物のような気持ちを本当は身近な親しい人に理解してもらうことを望んでいる場合が多く、それが叶わないため代わりにカウンセリングの場を訪れる。
重い話を聴くことが苦手な人は多いと思うが、私はこの重さが興味深く感じて、その人となりを知ることができる喜びがある。
ただこれはカウンセリングの場、カウンセラーを担っているときの話。
嘆きの話を聴く場合、私自身の中にある「近しい体験、感情」を探しながらクライアントの気持ちの理解や共感をしていく。
お互いに体験した経緯、事実は違っていても結果として味わった感情は非常に近しいものだと私は考えている。
こうしてお互いに嘆きを共有する時間が経過すると、ふっと温かく軽やかに変容する時が訪れる。
今まで心の中に留めていたことを打ち明けた時感じる、ほっとする、楽になる瞬間を経験した人ならわかる感覚だと思う。
カウンセラーと共同作業することで、より軽さや温かさを体験できる。そしてカウンセラーとしてもこの瞬間を共に味わえるのが何よりの醍醐味。